【勉強記録】民主主義国家になる難しさ
楽して生きたい人です。
最近フィリピンの政治の状況を知って、少々驚いております。
フィリピンの政治状況について、筆者が知ったことをご紹介します。
1.フィリピンの政治制度は民主的
タイトルと、前文からフィリピンは民主的でないように思われますが、そんなことはありません。
憲法はありますし、議会も選挙も勿論あるそうです。
しかし、蓋を開けてみると、それらの制度はあまり意味をなしていないようです。
2.フィリピンはエリート民主主義?
フィリピンでも、日本と同じように選挙が行われ、国民の代表者が選ばれます。
何とも民主的な流れです。
しかし、選ばれた人達の関係性を見ると、フィリピン政治の実情が窺えます。
ある選挙区で当選した議員や、その地域の首長が親戚同士なのです。
1つだけではなく、どこでもそうなのです。
フィリピンは州制で80州の内、73州で政治エリートである一族が存在していて、
政治一族が政治的ポストを独占しているのです。
3.血の選挙戦
フィリピンでは選挙の度に死傷者がでます。
どういうことでしょうか?
答えは単純明快にして露骨。
候補者が政敵を殺しているのです。
先ほど述べた政治一族はやはり富裕層です。政治一族がならず者を雇って一族に反対する者に差し向けます。
選挙候補者が私兵を持ち、選挙活動という名の殺人をしているのです。
これを''政治的殺害(political killing)''というそうです。
もうれっきとした名称があるのですね。
政治一族ばかりが選挙で当選するのも頷けます。
4.富裕層を守る警察・意思を持つ軍
普通に考えれば、上記のようなことは許されるものではありませんが、フィリピンではこの凶行が蔓延しています。
その理由に、警察や軍の機能不全があるそうです。
富裕層とそうでない人々が対立した時、警察は富裕層を保護します。
変な言い方ですが、警察は行政の一部ですから、行政の有力ポストを占める政治一族側に立つのは当然かもしれません。
軍は左派勢力の台頭を契機として、左派に対する弾圧を始めました。
NGO関係者、農民運動や労働運動の指導者など、1000人以上の人々を殺害したそうです。
軍が意思を持って政治運動を始めたのです。
5.民主主義国家になる難しさ
もう一度述べますが、フィリピンは憲法も議会も選挙もある、制度的には民主主義国家です。
しかし上記のことを考えると
果たしてフィリピンは本当に民主主義国家なのでしょうか?
民主主義的な政治体制をとれば、民主主義国家なのでしょうか?
筆者は疑問に思います。
6.筆者の所感
正直富裕層と警察、軍の間には何らかの金銭的関係があるようにさえ思えてきます。
証拠は全くないですが。
民主体制を確立させるというのは本当に難しいですね。
いくら制度を整えても、それを使おうとしなければ、制度は無力です。
社会のために、既得権益を手放せる人間はいるのでしょうか?
7.留意点
筆者は専門家ではありません。
間違いなどあれば指摘していただけると嬉しいです。